薬物性肝障害評価研究の進歩

  • 横井 毅
    名古屋大学大学院 医学系研究科 トキシコゲノミクス研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Recent advances in evaluation studies for drug-induced liver injury
  • 創薬シリーズ(8)創薬研究の新潮流(41)薬物性肝障害評価研究の進歩
  • ソウヤク シリーズ(8)ソウヤク ケンキュウ ノ シン チョウリュウ(41)ヤクブツセイ カン ショウガイ ヒョウカ ケンキュウ ノ シンポ

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抄録

<p>近年の薬物代謝や薬物動態の研究の進展に伴って,臨床試験において体内動態に起因する開発中止は1%以下に減少した.一方,副作用や毒性発現による臨床試験の中止は,高頻度のままであり,なかでも薬物性肝障害(drug-induced liver injury:DILI)の発症事例が多い.DILIは本質性(intrinsic)と特異体質性(idiosyncratic)に大別されるが,前者は前臨床試験段階において発症予想が比較的容易であるが,後者の発症機序は未だ不明な点が多く,発症予測も困難である.我々は特異体質性DILIの実験動物モデルを作出し,発症機序を明らかにし,得られたバイオマーカーの情報をin vitro細胞試験系の構築に適用することを目指して研究を行っている.本稿では様々なDILI動物モデルの作出と,発症機序研究の現況を中心に,in vitro細胞試験系の進歩および新規の発症因子について紹介する.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 155 (5), 323-328, 2020

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (40)*注記

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