特定機能病院に勤務する新卒看護師のアイデンティティ,職業性ストレス,組織風土と精神健康度の関連

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タイトル別名
  • A Survey of Relationships Between Job Stressors, Degree of Mental Health, Organizational Climate and the Identity of Newly Graduated Nurses
  • トクテイ キノウ ビョウイン ニ キンム スル シン ソツ カンゴシ ノ アイデンティティ,ショクギョウセイ ストレス,ソシキ フウド ト セイシン ケンコウド ノ カンレン

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抄録

<p>National institute for occupational safety and health(以下NIOSH)モデルを基に特定機能病院に勤務する新卒看護師の職業性ストレス,個人要因,緩衝要因,ストレス反応を調査しそれぞれの関連を明らかにする.本調査では,研究協力の得られた特定機能病院に勤務する新卒看護師320名に質問紙調査を実施した.郵送にて107名分回収(回収率33.4%)した.分析の結果,三交代制(23.5 ± 7.04)の方が二交代制(18.88 ± 6.03)よりもGeneral Health Questionnaire(GHQ)-12(リッカート法)が有意に高かった(P = 0.007).仕事要求度が高く,かつ仕事裁量度が低い,高ストレッサー群(24.1 ± 6.20)の方が低ストレッサー群(18.93 ± 6.14)よりもGHQ-12(リッカート法)が有意に高かった(P = 0.001,t = -3.44).また,GHQ-12(GHQ法)のカットオフポイントを4点とした高・低GHQ群を従属変数,関連を認めた変数を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析の結果,アイデンティティの基礎,同僚サポートがそれぞれ有意であった.Hosmer・Lemeshow検定の結果はP = 0.643で十分な適合を示し,判別的中率も81.0%と高い結果であった.本研究の調査期間は入職後約6カ月であるため,学生から社会人への移行期の真っただ中にあり,身体的にも精神的にも1年間の中で最も疲弊した状態にあると想定でき,多種多様なストレッサーによって,深刻なストレス反応を引き起こしている可能性が示唆された.また,先行文献より新卒看護師は1年を通して上司やプリセプターにサポートを求めていない傾向が特徴的で「両親」,「友人」,「同僚」をサポート源としていることからも,職場における同僚からのサポートは最も強力な緩衝要因でかつリアリティショックを乗り越えるための必要不可欠な資源であることが明らかとなった.</p>

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 42 (3), 281-290, 2020-09-01

    学校法人 産業医科大学

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (6)*注記

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