頚髄損傷患者における受傷から1年間の肺活量推移

DOI
  • 佐々木 貴之
    総合せき損センター中央リハビリテーション部
  • 古賀 隆一郎
    総合せき損センター中央リハビリテーション部
  • 出田 良輔
    総合せき損センター中央リハビリテーション部
  • 戸渡 富民宏
    総合せき損センター中央リハビリテーション部
  • 林 哲生
    総合せき損センター中央リハビリテーション部 総合せき損センター整形外科

書誌事項

タイトル別名
  • One year’s transition of vital capacity after injury in patients with cervical cord injury

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抄録

<p>【背景と目的】頚髄損傷の死亡原因の筆頭は呼吸障害であり,呼吸状態の把握が急務の課題といえる.そのため,アメリカ脊髄損傷協会の神経学的損傷高位(neurological level of injury: NLI)と障害尺度を使用し,これまで報告のないVCの経時的推移をNLIごとに調査した.</p><p>【対象と方法】対象は脊髄損傷データベースシステムに登録された運動完全麻痺の頚髄損傷患者201名とし,NLIを「C1-3」,「C4」,「C5」,「C6-8」に分類した.評価は受傷後3日~12か月の間の計11時期で,簡易スパイロメータを使用しVCを測定した.</p><p>【結果】NLIが下位になるほどVCが高かった.C1-3では全時期でVCが 500 ml前後であった.C4より下位では1年後まで緩徐にVCが増加し,特に4か月以降で有意に増加した.</p><p>【結語】頚髄損傷患者のVCはC4より下位では経時的な増加がみられた.横隔膜が十分に機能するC4レベルの残存が呼吸の自立を左右すると考えられる.</p>

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