外国人看護師の職場における日本語学習

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タイトル別名
  • 外国人看護師の職場における日本語学習 : 今日、そして明日
  • ガイコクジン カンゴシ ノ ショクバ ニ オケル ニホンゴ ガクシュウ : キョウ 、 ソシテ アス
  • 今日、そして明日

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説明

本稿は、経済連携協定(EPA)に基づいて外国から受け入れた看護師候補者4名全てが国家試験に合格した実績を持つA病院において、同院勤務中のEPA看護師(国家試験合格者)3名とその所属病棟の師長3名に対して行った面談調査の結果を報告し、職業現場での日本語学習支援への示唆を考察する。A病院では、受験準備中は日本語教育専門家による支援を提供したが、基本的には一貫して看護実務への参加を通じて日本語学習を支援し、日本語に特化した訓練は行なっていない。実務の中で理解が難しいと疑われた場合に確認を繰り返し、看護と言語の訓練が同時に行なわれる。EPA看護師は、疑問や不安があれば同僚に説明や援助を求め、看護記録等も責任者に見せて訂正や助言を受けるなど、支援を受けやすい雰囲気が成立している。また、自らの知識の不足や技術の未熟を自覚して、専門家としての自律性が母国と同等には保たれないこと、具体的には、困難の伴う実務では制限や特別措置が行われることを、肯定的に捉えている。これらが職場への適応と日本語力向上を推進していると思われた。「先進技術を学んで母国の発展に活かす人材を育てる」という目的に即して見れば理想的に進んでいるが、長期滞在して同等の責任と可能性を持つ協働者となることを期待するのであれば、より高度の日本語技能獲得への支援が必要と思われ、支援の導入とその方法の開発は専ら今後の課題である。

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