酸化ストレスによる核-細胞質間輸送因子Ranの核内量低下とその制御に関わるTMX2の機能解析
書誌事項
- タイトル別名
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- Role of TMX2 on maintaining nucleocytoplasmic gradient of Ran GTPase under oxidative stress conditions
抄録
<p>細胞の核-細胞質間の物質輸送は、真核生物において基本的な機能であるが、酸化ストレスによって一部の輸送能が低下し、これが細胞老化の原因の一つであることが明らかにされている。核内輸送システムを担う中心的なタンパク質がImportinファミリータンパク質であり、これらと結合、解離することでその機能を制御する低分子量Gタンパク質Ranは、通常核内に多く存在するが、酸化ストレスにより核内量が低下し、核-細胞質間の濃度勾配が破綻することで核内輸送システムが低下することが明らかとなっている。しかし、Ranの核内量がどのように制御されているかは明らかでない。本研究では、チオレドキシン様ドメインを有するThioredoxin-related transmembrane protein 2 (TMX2)が、核膜の外膜でImportinβ及びGTP結合型のRanと相互作用することを明らかにした。HEK293及びHela細胞において、TMX2をノックダウンすると核内のRan発現量が低下し、Importin-β依存的なタンパク質の核内輸送が抑制された。また過酸化水素により核内のRanが減少し、その低下はTMX2過剰発現により緩和されたことから、TMX2は核内におけるRanの局在に必要であることが示された。TMX2によるRanの核内量の制御にはRanの112番目のシステイン残基が関与することが示され、このシステイン残基は、過酸化水素によるRanの核内量低下にも関与していた。さらに、TMX2をノックダウンすることで老化マーカーであるp21の発現量が増加した。本研究により、酸化ストレスによる核内量低下には、Ranのシステイン残基のレドックス制御が関与する可能性が示唆され、その制御にTMX2が関わる可能性が示された。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 47.1 (0), O-13-, 2020
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390285697591401984
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- NII論文ID
- 130007898163
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可