バングラデシュの首都ダカにおける手工芸品生産工房の空間の検討

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  • 女性従業員と家事使用人の少女の事例から

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バングラデシュの首都ダカにあるシルクスカーフ生産工房において、仕事の空間が従業員女性や家事使用人の少女たちにとっていかなるものかを検討する。工房は、経済的に不安定な都市の女性たちにとって、アジール的空間になっているようにも見える。従業員の女性たちにとって、経済的な事情から賃金労働が必要でかつ、望ましい場を模索しなければならない中で、工房は他の女性たちと集まり、交流し、仕事ができる場である。一方で、家事使用人の少女たちが家で雇用されているのは、一時的な保護の目的が強く、行動範囲も基本的には部屋の中や周囲の商店だけであり、著しく制限される。仕事も家事労働が主であり、昼夜を問わず仕事を任されている。家事使用人の少女にとって家の中にいるということは、安全な場であることを意味するものの、常に家の人々の保護と監視の目にさらされており、工房のアジール的状況は両義的である。こうした工房という場における、従業員女性、家事使用人の少女たちを取り巻く重層的な現実を理解することを目指す。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390285697595665152
  • NII Article ID
    130007903984
  • DOI
    10.14890/jasca.2020.0_f18
  • ISSN
    21897964
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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