絶滅危惧種IA類ウミスズメ天売島個体群の遺伝的特性の評価とその保全への提言 ―西太平洋海鳥保全研究会―

書誌事項

タイトル別名
  • Conservation genetics of a small population of Ancient murrelts breeding on the Teuri Island, Hokkaido, Japan ―Research Group for Conservation of Sea Birds in the West Pacific―

説明

<p>日本ではウミスズメは北海道天売島の海食崖でのみ少数が繁殖する.緊急の保全策が必要にも拘わらず,保護増殖事業は未だ策定されていない.ウミスズメの野外調査が困難なため,保全管理に必要な生態・遺伝情報を得ることができなかったためである.しかし,2016年に営巣地付近で30羽のウミスズメの血液が採取され,天売島繁殖個体群の遺伝的特性の推定が可能になった.ミトコンドリアDNA分析では,天売島個体群とアリューシャン列島個体群は共通のハプロタイプをもっていたが,他の繁殖個体群とはハプロタイプを共有していなかった.この結果は,両個体群は異なる単位で保全管理される必要があることを示している.天売島個体群は,アリューシャン列島個体群と遺伝子流動は活発であり,遺伝的多様性が低いことを示す証拠は無かった.私たちは,天売島個体群の効果的な保全のために,営巣地の保全による管理を提案する.日本近海はウミスズメの越冬場所として重要な海域であり,より広域的な保全管理が必要だろう.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285697605705216
  • NII論文ID
    130007919076
  • DOI
    10.32215/pronatura.29.0_187
  • ISSN
    21897727
    24320943
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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