気候変動への効果的な適応策のあり方について

  • 肱岡 靖明
    (国研) 国立環境研究所 社会環境システム研究センター 環境都市システム研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Role of Effective Adaptation to Climate Change
  • キコウ ヘンドウ エ ノ コウカテキ ナ テキオウサク ノ アリカタ ニ ツイテ

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説明

地球温暖化の進行を押しとどめるためには,温室効果ガス (GHG) を削減する「緩和」に加えて,気候変動による影響に対処する「適応」も重要である。COP21 (国連気候変動枠組条約第 21 回締約会議) で採択された「パリ協定」では,世界共通の長期気候安定化目標として 2 ℃ 目標が示されたのみならず 1.5 ℃ 目標へも言及され,緩和策のさらなる推進を目指すとともに,適応策に関しても適応の長期目標の設定および各国の適応計画プロセスと行動を実施することが含まれた。日本においては 2015 年 11 月 27 日に「気候変動の影響への適応計画」が閣議決定された。適応計画は,将来の気候変動とその影響の不確実性下で策定しなくてはならないため,さまざまな困難が予想される。自治体が適応を効果的に進めていくためには,① リスク評価と優先順位づけ,② 既存施策と適応の統合,③ リスクコミュニケーションの構築,④ ソフトとハード対策を組み合わせた低コストの実現が鍵となる。今後,自治体が民間や市民を巻き込んで適応計画を立案して実施することで,安心・安全な社会の構築が進むことを期待する。

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