<i>SUCLA2</i>関連ミトコンドリアDNA枯渇症候群の1例

  • 野崎 章仁
    滋賀県立小児保健医療センター小児科
  • 森 未央子
    滋賀県立小児保健医療センター小児科
  • 熊田 知浩
    滋賀県立小児保健医療センター小児科
  • 橋口 昭大
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科脳神経内科老年病学講座
  • 髙嶋 博
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科脳神経内科老年病学講座
  • 村山 圭
    千葉県こども病院代謝科
  • 藤井 達哉
    滋賀県立小児保健医療センター小児科

書誌事項

タイトル別名
  • A rare case of <i>SUCLA2</i>-related mitochondrial DNA depletion syndrome

抄録

<p> SUCLA2関連ミトコンドリアDNA枯渇症候群は, メチルマロン酸尿症を伴うLeigh症候群と知られる. 症例は12歳女児で血族婚なし. 臨床所見は精神運動発達遅滞, 低緊張, 感音性難聴, 摂食困難, 成長障害, 筋萎縮, 外眼筋麻痺, 眼瞼下垂, 胃食道逆流, 反復嘔吐, 矢状縫合早期癒合, 軸索型末梢神経障害, 拘束性呼吸障害, 脊柱後側彎症を認めた. 8か月での血液・髄液検査で乳酸高値を認め, 頭部MRIで大脳萎縮を認めた. 2歳時の頭部MRI (T2強調画像) で両側基底核に高信号を認めた. 以上からLeigh症候群と診断した. 血清アシルカルニチン分析でプロピオニルカルニチンの軽度増加を認めるも, 尿中有機酸分析で異常なしとの判断であった. 9歳時に末梢神経障害の研究のためエクソーム解析を行い, NM_003850.2 (SUCLA2) : c.1300del (p.Asp434Metfs8) +c.664-1G>Aと新規複合ヘテロ変異を認めた. 両親は各々保因者であった. 再度の尿中有機酸分析で, メチルマロン酸の軽度排泄増加を認めた. 筋組織の呼吸鎖複合体ⅠおよびⅣの活性が正常下限であった. 以上からSUCLA2関連ミトコンドリアDNA枯渇症候群と診断した. ミトコンドリア病患者の血清プロピオニルカルニチンおよび尿中メチルマロン酸の軽度増加を見逃さないことが重要である.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 52 (5), 318-322, 2020

    一般社団法人 日本小児神経学会

被引用文献 (1)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285697608648960
  • NII論文ID
    130007923264
  • DOI
    10.11251/ojjscn.52.318
  • ISSN
    18847668
    00290831
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • Crossref
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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