Simple embryo culture system without CO<sub>2</sub> incubator using gas optimized medium.
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- KIKUCHI Yasuyuki
- Faculty of Life and Environmental Science, University of Yamanashi
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- WAKAYAMA Sayaka
- Advanced Biotechnology Center, University of Yamanashi
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- OOGA Masatoshi
- Faculty of Life and Environmental Science, University of Yamanashi
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- WAKAYAMA Teruhiko
- Advanced Biotechnology Center, University of Yamanashi
Bibliographic Information
- Other Title
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- CO<sub>2</sub>インキュベーターを使わない簡便な着床前初期胚の培養方法の開発と応用
Description
<p>【背景】CO2インキュベーターは初期胚の培養に必須だと考えられてきたが,近年それを用いない培養方法が報告されている。我々はCO2分圧を最適化した培地(CO2最適化培地)を密閉容器で使用すれば,インキュベーターを使用せず胚の培養や産仔作出が可能になり,経費削減だけでなく胚の輸送などにも応用可能と考えた。【方法】①CO2最適化培地の作成:CO2インキュベーターあるいは炭酸ガス発生剤「アネロパウチ」を用いてCZB培地のCO2分圧が4–5%になる時間を決定した。②密閉環境での胚培養:密閉可能なチューブやフラスコを用いマウス体外受精胚をCO2最適化培地内で4日間,37℃で培養し,胚移植を行った。③胚培養の実践:胚輸送を想定し,38.5℃のお湯を入れた水筒の中で胚を1–2日間培養した。回収した胚は従来法で培養し,発生率を確認した後に移植し産仔率を調べた。一部の胚は実際に輸送を行った。【結果】①CO2インキュベーター内では24時間でCO2分圧が約4%の気液平衡状態となった。アネロパウチを用いた場合,24 時間で分圧は12%まで上昇してしまったが,3時間の処理でCO2最適化培地を作成できることが分かった。②チューブでの胚盤胞および産仔への発生率は正常であった(胚盤胞率100%,産仔率38%)。フラスコをサーモプレート上で加温した実験では,胚培養だけでなく観察も可能であった。③水筒での培養は,1細胞期胚の培養は1日が限界だったが,2細胞期胚の培養は2日間可能であり,産仔を得ることが出来た(胚盤胞率86%,産仔率35%)。また,輸送した区でも同様な結果となった。【考察】従来必須とされたCO2インキュベーターを使用せずに,胚盤胞や産仔への発生率に影響を与えずに胚を培養することが可能となった。施設費,維持費,スペースなどを削減するだけでなく,国内の輸送も容易になる。また,フラスコを用いればライブセルイメージングも可能になるだろう。本研究で示した密閉系での培養方法は今後様々な実験で利用されるのではないだろうか。</p>
Journal
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- The Journal of Reproduction and Development Supplement
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The Journal of Reproduction and Development Supplement 113 (0), P-54-P-54, 2020
The Society for Reproduction and Development
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390285697611379968
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- NII Article ID
- 130007925756
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed