Development of the method to preserve mouse freeze-dried spermatozoa with paper

DOI
  • ITO Daiyu
    Graduate School of Life and Environmental Science, University of Yamanashi
  • WAKAYAMA Sayaka
    Advanced Biotechnology Center, University of Yamanashi
  • OOGA Masatoshi
    Graduate School of Life and Environmental Science, University of Yamanashi
  • WAKAYAMA Teruhiko
    Advanced Biotechnology Center, University of Yamanashi

Bibliographic Information

Other Title
  • 薬包紙を用いたマウス凍結乾燥精子の保存技術確立に向けた試み

Abstract

<p>【目的】第112回札幌大会のポスターセッションにて我々は,世界で初めて薬包紙の上で凍結乾燥保存したマウス精子からの産仔作出例を発表した。だが本技術の保存成績にはばらつきが見られ(産仔率0–47%,平均28%),作製方法を確立できたとはいえない。従来のガラスアンプルを用いた保存方法に代わる新たな精子の保存技術として本技術を確立するために本研究では,①ガラスアンプルで作製した凍結乾燥精子との比較による本技術を用いた場合の精子DNAの損傷率,②本技術の保存成績が安定しなかった原因をサンプル内への空気混入と仮定し産仔率に対する空気の影響,の2点を調べた。【方法】実験にはICR系統のマウス精子と卵子を用い,精子の凍結乾燥処理には前回大会と同様の方法を用いた。①採精後同日中にガラスアンプルと薬包紙を用いて凍結乾燥精子を作製し,コメットアッセイおよび雄性前核のγ-H2A.x染色により精子DNAの損傷率を比較した。②前回大会で発表した方法では,ラミネートの封をする際に試料内に空気が混入していた。そこで今回新たに,真空のシート状で凍結乾燥精子を保存する技術を開発した。本方法により冷凍保存した精子を顕微授精に使用し,得られた2細胞期胚を卵管へ移植し産仔率を調べた。【結果】①ガラスアンプルと薬包紙の上で作製したそれぞれの凍結乾燥精子のDNA損傷率に有意な差はなく,ガラスアンプルを用いた従来の凍結乾燥方法と薬包紙を用いた本技術は精子DNAに対し同程度のダメージを与えていた。②空気を混入させて保存した精子を用いた場合の産仔率は28%であるのに対し,真空保存した精子を用いた場合の産仔率は8%であり,空気の混入は本技術において凍結乾燥精子の産仔率を低下させる原因ではなかった。【考察】凍結乾燥処理が精子DNAに及ぼすダメージや空気の混入に起因する産仔率の低下は見られなかったことから,本技術の保存成績に影響を与える要因として,ラミネートの材質やラミネートに挟む際に精子にかかる圧力など本研究で調べた項目以外の要因が考えられる。</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390285697611438080
  • NII Article ID
    130007925823
  • DOI
    10.14882/jrds.113.0_p-85
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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