栃木県北部,余笹川岩屑なだれ堆積物の層序・年代と運搬過程

  • 菊地 瑛彦
    茨城大学理学部地球環境科学領域 現所属:アジア航測株式会社九州国土保全コンサルタント技術部国土技術課
  • 長谷川 健
    茨城大学理学部地球環境科学領域

書誌事項

タイトル別名
  • Stratigraphy, age and depositional processes of Yosasagawa Debris Avalanche deposit, North Tochigi Prefecture, Japan
  • トチギケン ホクブ,ヨ ササガワ ガンセツナダレ タイセキブツ ノ ソウ ジョ ・ ネンダイ ト ウンパン カテイ

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説明

<p>栃木県北部,那須火山群から発生した余笹川岩屑なだれ堆積物の層序・年代を明らかにし,運搬過程を考察した.余笹川岩屑なだれ堆積物は,那珂川流域を中心に広く分布し,塊状で基質相・岩塊相からなる層相を示す.主要な岩塊相として石英含有輝石安山岩~デイサイト質溶岩(SiO2:58~63wt.%)を含む点で黒磯岩屑なだれ堆積物と識別でき,単層でも追跡可能である.層序的には,中部日本を起源とするKMT(0.62Ma)の上位,APm(0.33-0.36Ma)の直下に位置することから,少なくとも33万年前以前に発生したことが分かる.遠方下流域に至っては茨城県北部の粟河軽石層に対比可能で,合計するとその流走距離は100km以上に及ぶ.下流域において,堆積物下部に溶岩岩塊および礫が濃集する(一部で礫支持構造を示す)ことから,河川を流走中に水に飽和して流動化しラハールに変化したため,長距離を流走できたと考えられる.</p>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 126 (6), 293-310, 2020-06-15

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (26)*注記

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