ナノ粒子を活用した近赤外膜電位センサーによる神経活動の可視化

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抄録

脳神経系は,神経細胞の膜電位変化に伴って神経伝達物質をやりとりし,情報処理を達成している.近年,膜電位を光学顕微鏡で可視化するセンサーを用いることで,こうした神経細胞の膜電位を低侵襲・ハイスループットで測定できるようになった.しかし,膜電位センサーの多くは,励起光として波長500nm以下の可視光を必要とする.こうした短波長光は,生体組織内での散乱や自家蛍光によるSN比の低下,光毒性といった問題を引き起こしやすい.最近,Duらは近赤外光で励起可能なナノ粒子を活用し,これらの課題を克服する膜電位センサーを報告したので,本稿で紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Chamberland S. et al., eLife, 6, e25690(2017).<br>2) Abdelfattah A. S. et al., Science, 365, 699-704(2019).<br>3) Liu J. et al., J. Am. Chem. Soc., 142, 7858-7867(2020).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 56 (11), 1043-1043, 2020

    公益社団法人 日本薬学会

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