「ぎょしょく教育」の概念と意義

書誌事項

タイトル別名
  • The Concept and Meaning of “Fish Dietary Education”
  • 「ぎょしょく教育」の概念と意義--水産業における食育の方途を求めて
  • ギョショク キョウイク ノ ガイネン ト イギ スイサンギョウ ニ オケル ショクイク ノ ホウト オ モトメテ
  • 水産業における食育の方途を求めて

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抄録

<p>本論文の目的は,現代の日本において食料自給率が低下し,日本人の魚離れ,とりわけ,「子供の魚離れ」が指摘されるなかで,「漁と食」の再接近を念頭において,水産分野での食育概念を提起することである。</p><p>本論文では,地域特性や地域資源の活用を目的とした「ぎょしょく教育」という新たな概念を設定する。大まかな概念はすでに提起しているが,従来の「魚食」というコンセプトに加えて,新たに「魚触(魚の調理実習や魚に直接触れる等の体験学習)」~「魚色(魚の種類や栄養等の魚本来の情報に関する学習)」~「魚職・(とる漁業における魚の生産・流通現場を知る学習)」~「魚殖・(そだてる漁業における魚の生産・流通現場を知る学習)~「魚飾(飾り海老や祝い鯛などの伝統的な魚文化の学習)」の5つの学習プロセスを経て,「魚食」に到達するよう配慮したものであった。さらに本論文では,「魚植・(漁民の森活動・植林活動などの環境問題にかかわる学習)」~「魚織・(「ぎょしょく教育」を行う上での地域組織)」を新たに付け加えることとする。したがって,水産分野における新たな食育概念としての「ぎょしょく教育」を実施するにあたって,7つの学習プロセスと1つの組織機能について定義したいと考える。</p><p>「ぎょしょく教育」は,最終的には水産物の安全・安心な供給に寄与するものであると考える。「顔の見える関係」構築の1つの手段として,長期的視野に立つことが必要であり,かつ継続していくことが重要であると考える。</p>

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