連邦制問題を目覚めさせた「ヒョウ」――西部ナイジェリアで設立された自警団アモテクン考――

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  • 島田 周平
    名古屋外国語大学教授/京都大学名誉教授/アジア経済研究所名誉研究員

書誌事項

タイトル別名
  • The Leopards Which Awakened the Federal Issue: The Impact of Setting Up Vigilante Groups, “Amotekun”, in Western Nigeria

説明

<p>2019年に西部ナイジェリアのヨルバランドの5州で、ヨルバ語でヒョウを意味するアモテクンという自警団が名乗りを上げた。かつて東部ナイジェリアのエフィクやイビビオ社会で活躍した秘密結社エクペ(ヒョウを意味する)に倣ったかのようであった。</p><p>西部5州の知事たちは、アモテクン設立にあたり北部から来たフラニ牧畜民による農民襲撃を最大の理由とした。ヨルバランドからフラニ牧畜民を排斥するという地域主義的運動に展開しかねない危険性を感じ取った連邦政府は、連邦警察以外に警察権を行使できる組織はあり得ないとする法律的理由からその設立に待ったをかけた。</p><p>州知事が指揮権を持つアモテクンは、かつて東部の森のなかで活躍した秘密結社のヒョウではなく、連邦政府の警察権を脅かす存在として認識されることになったのである。</p>

収録刊行物

  • アフリカレポート

    アフリカレポート 58 (0), 102-115, 2020-12-15

    独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390286981360120192
  • NII論文ID
    130007956663
  • DOI
    10.24765/africareport.58.0_102
  • ISSN
    21883238
    09115552
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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