肺結核に対する骨膜外パラフィン充填術後に緩徐な経過で巨大パラフィノーマを呈した1例

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  • A Case of Massive Paraffinoma Following Extraperiosteal Paraffin Plombage

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抄録

<p>緒言.肺結核に対して骨膜外パラフィン充填術を施行されたのち,巨大パラフィノーマを発症した症例を経験した.症例.72歳,男性.23歳時に肺結核を発症し,近医で骨膜外パラフィン充填術を施行された.その後は特に症状もなく経過していたが,69歳頃から断続的に血痰が出現し,パラフィン片と思われる白い固形物も喀出することがあった.71歳時に大量喀血を来し,気管支動脈塞栓術を施行した.以前より左肺に陰影を認め肺結核後遺症と考えていたが,徐々に増大傾向となり胸痛も伴うようになった.悪性腫瘍との鑑別のため経皮的に生検を実施し,パラフィンの存在を示唆する空胞およびそれに対する肉芽反応と考えられる所見を認め,パラフィノーマと診断した.その後経過観察を継続したが緩徐な増大傾向を認めた.結語.肺結核に対する骨膜外パラフィン充填術後にパラフィノーマを発症した報告は限られており,文献的考察を交えて報告する.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 42 (6), 539-544, 2020-11-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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