会陰の腫脹・発赤・疼痛を主訴に救急搬送され, 会陰部膿瘍に活動性の肺結核を合併していた若年男性の1例

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タイトル別名
  • A case of perineal abscess complicated with active pulmonary tuberculosis

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説明

<p>今回われわれは, 会陰の腫脹・発赤・疼痛を主訴に救急搬送され, 会陰部膿瘍に活動性の肺結核を合併していた症例を経験した。症例は, 28歳, 男性。2日前からの会陰部の痛みと腫脹で救急搬送された。来院時, 会陰部にゴルフボール大の発赤・腫脹を認める以外全身状態は安定していた。体幹部造影CTにて, 右肺上葉に小結節や空洞形成, 会陰部に膿瘍形成を認めた。胃液の抗酸菌塗抹検査で陽性であり, 肺結核を合併した会陰部膿瘍の可能性を考えた。同日緊急手術となり, 喀痰の抗酸菌塗抹検査, PCRも結核陽性となったため活動性肺結核の診断となった。会陰部膿瘍からは, 細菌と結核菌群が検出された。本症例は, もともと無自覚の肺結核, 結核性皮下膿瘍が存在し, 膿瘍に細菌感染したため急激に発赤, 腫脹, 疼痛が出現したと考えた。結核はさまざまな症状があり, 主症状だけでは活動性肺結核の判断が困難である。外来での診察では常に結核を念頭に置く必要がある。</p>

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