成人労働者における口腔の健康状態と自己意識の関係

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タイトル別名
  • Relationship between oral health status and self-consciousness in adult workers
  • セイジン ロウドウシャ ニ オケル コウコウ ノ ケンコウ ジョウタイ ト ジコ イシキ ノ カンケイ

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抄録

<p> 自分自身に向けられる意識(自己意識)が,自己申告による口腔の健康状態に関係すると報告されている.そこで本研究では,成人を対象に客観的指標と主観的指標から口腔の健康状態を評価し,自己意識との関係を検討することを目的とした.</p><p> 歯科の講習会を受講し研究参加に同意した従業員13名の唾液潜血検査と自己申告による質問紙調査を用いて,改訂版自己意識尺度(4つの下位尺度:公私自己意識,外見への意識,私的自己意識,行動スタイルへの意識)の分析を行った.</p><p> 唾液潜血検査陰性群は,陽性群に比べて「行動スタイルへの意識」得点が有意に高かった.歯周病非ハイリスク群はハイリスク群に比べ「公私自己意識」得点が有意に高かった.一方,「外見への意識」は,唾液潜血検査と歯周病リスクの双方に関連性が認められなかった.「外見への意識」の質問には,「他者の視点」に関する内容を一切含んでいない.また,歯の色と口臭に関する質問にも「他者の視点」は含まれておらず,唾液潜血検査と歯周病リスクを指標にした2群間で有意な差が認められなかった.</p><p> 以上のことから,口腔内に出血が認められない人は,他者との関係において自己を意識する程度が高い可能性が示唆された.</p><p> 歯周病に関連する口腔健康指標により健康と判断された人は,他者との関係における自己意識の得点が高い可能性が示唆された.今後,調査対象人数などを考慮して検証していく必要がある.</p>

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