P-2-A03 在宅重症心身障害児者の合併症と医療処置に対する家族の受容

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抄録

はじめに 在宅重症心身障害児(者)は成長に伴う身体の変化、拘縮や側彎に伴い、さまざまな合併症が出現し医療的処置が必要となる。このため、家族はさらなる障害受容を迫られる。この二次的障害に対する家族の受容の過程をあきらかにすることは、重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の看護の質の向上に寄与するものと考えられる。 研究方法 対象は当センター開設準備施設の重症児(者)・日中一時支援所に通っていて、合併症により医療処置を要するようになった在宅重症児(者)2名の母親である。半構成的面接を行い質的記述的分析を行った。 結果 変化の過程は【予想される合併症や医療処置の情報を事前に得る】【処置後どう変化するのか】【同じ状況を乗り越えた児と保護者との関わり】【命の危険から決断せざるを得ない】【医療処置の目的や必要性の十分な説明】【専門職間の連携】【家族の支援】【やってよかった、楽になったと感じる】【経過の途中には後退や、医療処置を行っても改善されないケースもある】の9つのカテゴリーで構成されていると推測された。 考察 障害受容は容易ではない。予想される合併症や医療処置の情報を事前に得ることは重要であるが、その情報を誰とどのように共有し、問題点を整理するかによって受け止め方は変わる。家族の窓口の多くは母親であるが、母親一人で問題を抱えてしまうと責任の重圧に苦悩することになる。正確な情報の提供と適切な対応が要求される。丁寧に関わり、適宜、相談相手となれるよう、環境を整えることが必要である。医療処置が必要となると、家族は医療的処置後の変化に不安を抱き戸惑いを覚える。しかし、命には代えられないことを認識される。その過程には1.同じ経験をした児と保護者の関わり2.医療処置の目的や必要性の説明3.専門職間の連携4.家族の支援が求められる。同じ境遇の保護者との交流の促進、多職種の連携の調整も看護師に求められる。

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