腹部超音波検査で観察された肝嚢胞縮小化の1例と10例の文献的考察

書誌事項

タイトル別名
  • One case study and literature review of 10 cases of spontaneous liver cyst shrinkage observed by abdominal ultrasonography
  • フクブ チョウオンパ ケンサ デ カンサツ サレタ カンノウホウシュクショウカ ノ 1レイ ト 10レイ ノ ブンケンテキ コウサツ

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抄録

<p>症例は60代,女性。上腹部不快感と痛みのスクリーニングとして実施した腹部超音波検査で,肝区域S6の4.6 cmを最大とした嚢胞性病変が大小様々で肝臓全体に認められ肝嚢胞と診断された。その後,定期的な経過観察においてS6の嚢胞は2016年9月に3.9 cm,2017年9月に3.0 cm,2019年10月に2.0 cmというように明らかな径の縮小を認めた。同様な症例報告を医中誌で可能な限り検索したところ10例を検索し得た。その中で,肝嚢胞の自然縮小は原因不明な症例が多い中,縮小しながら嚢胞腺腫へと発展した症例があった。経年的に縮小していく肝嚢胞は嚢胞腺癌の発生母地である嚢胞腺腫へと発展しうる可能性を念頭に置き,注意深く経過観察を行う必要があると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 70 (1), 155-159, 2021-01-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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