• 岡田 知佳
    国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所栄養疫学・食育研究部
  • 瀧本 秀美
    国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所栄養疫学・食育研究部

書誌事項

タイトル別名
  • The National Health and Nutrition Survey in Japan: 75 Years of History
  • ─75年の歴史─

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説明

<p>【目的】 国民健康・栄養調査(旧:国民栄養調査)は,我が国において,75年と長きにわたって国が実施してきた調査であり,時代に応じて公衆衛生上の課題に焦点を当てながら内容を変化させてきたことが特徴的である。そこで,国民健康・栄養調査について,そのはじまりから現在に至るまでの歴史をまとめることした。</p><p>【方法】 国が公表した調査報告書を基に,目的,調査対象,調査内容等について調べた。</p><p>【結果】 我が国の国民健康・栄養調査のはじまりは,戦後の食糧不足による食糧供給のための基礎資料を得ることを目的としていた。その後,国民の栄養状態は改善され,法整備が整えられた中で,健康の維持・増進をより包括的に促進できるようにすることを目的に実施されている。調査対象は,無作為抽出により国の代表性が得られるように設計されている。調査内容は,当初は栄養摂取量調査と身体的症候調査の2部で構成されており,現在は栄養摂取状況調査票,身体状況調査票,生活習慣調査票の3部で構成され,その内容は拡充してきた。国民健康・栄養調査から得られた結果は,わが国の食事摂取状況と健康状態をモニタリングするための貴重な基礎資料であり,健康,食環境,栄養分野等の様々な政策に寄与し続けている。</p><p>【結論】 我が国の現在の健康水準には,第二次世界大戦後から現在に至るまでの75年間にわたって,国民の状態を明らかにしてきた国民健康・栄養調査と,その結果に基づいた健康政策及び栄養政策の取組の寄与するところが大きいと考えられる。今後も,国民健康・栄養調査の発展とともに,本報告が世界の公衆衛生の発展に寄与することを期待する。</p>

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 78 (Supplement), S5-S15, 2020-12-01

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (2)*注記

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