古典的ホジキンリンパ腫診断時に合併を認めた多発性骨髄腫

  • 安藤 匠平
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 横山 和明
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 内田 三四郎
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 牧山 純也
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 川俣 豊隆
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 安井 寛
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 大田 泰徳
    東京大学医科学研究所附属病院 病理部
  • 今井 陽一
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 東條 有伸
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科

書誌事項

タイトル別名
  • Cooccurrence of classic Hodgkin lymphoma and multiple myeloma
  • コテンテキ ホジキン リンパシュ シンダンジ ニ ガッペイ オ ミトメタ タハツセイ コツズイシュ

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抄録

<p>古典的Hodgkinリンパ腫(CHL)を多発性骨髄腫(MM)治療後のsecondary primary malignancyとして生じる例があるが,未治療例に両者を同時合併することは稀である。症例は54歳女性。左頸部リンパ節腫脹を自覚し,生検で混合細胞型CHLと診断された。骨髄検査では有核細胞の10.3%が形質細胞であり,MMの合併と診断された。CHLに対してはABVD療法4コースおよびIFRT 30 Gyにより完全寛解を得た。3年後,MMに対してbortezomib,lenalidomide,dexamethasone(VRd-lite)療法を開始した。1コース目に重篤な好中球減少症を呈し,以降のbortezomib,lenalidomideの減量を要したが,感染症を合併することはなく経過した。VRd-lite療法4コース後,大量メルファラン併用自家末梢血幹細胞移植を行った。治療効果は部分寛解であり,地固め療法としてcarfilzomib,lenalidomide,dexamethasone(KRd)療法を4コース行い,厳密完全寛解を達成した。今後も高齢化が進むにつれ,他の悪性腫瘍の治療歴を有するMM症例が増加することが予想されるが,VRd-lite療法は有害事象による中断が少なく,良好な治療効果が期待される。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 62 (1), 14-19, 2021

    一般社団法人 日本血液学会

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