北海道中央部,トムラウシ地域の日高帯分布域に新たに発見された下部中新統とそのテクトニックな意義

  • 七山 太
    産業技術総合研究所地質情報研究部門 熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター
  • 渡辺 真人
    産業技術総合研究所地質情報研究部門
  • 山崎 徹
    産業技術総合研究所地質情報研究部門
  • 岩野 英樹
    (株)京都フィッション・トラック
  • 檀原 徹
    (株)京都フィッション・トラック
  • 平田 岳史
    東京大学大学院理学研究科附属地殻化学実験施設

書誌事項

タイトル別名
  • New age constraints and tectonic significance of the early Miocene sediments in the Hidaka Belt around Tomuraushi area, central Hokkaido, Japan
  • ホッカイドウ チュウオウブ,トムラウシ チイキ ノ ヒダカタイ ブンプイキ ニ アラタ ニ ハッケン サレタ カブ チュウ シントウ ト ソノ テクトニック ナ イギ

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抄録

<p>北海道中央部,トムラウシ地域の日高累層群中には,チカプペツ層と呼ばれる周囲の地層とは固結度の大きく異なる泥岩主体の地層の存在が知られていた.今回,チカプペツ層中の酸性凝灰岩とシイ十勝川層(新称)のタービダイト砂岩からジルコン粒子を分離し,ジルコンU-Pb年代を測定した結果,19.5±0.1Maと22.5±0.7Ma(前期中新世)を示す年代値が得られた.また,前者の石灰質ノジュール1試料から前期中新世を示す珪藻化石群集が得られたことから,その堆積年代は23-19Maと理解された.これまでも日高帯分布域には,後期漸新世の堆積年代を示す襟裳層や立牛層の挟在が明らかにされており,この時期に大規模な右横ずれ変位が開始されていたことが判明している.チカプペツ層やシイ十勝川層は,前期中新世に,同様の右横ずれ変位に伴って発生した海成層と考えられる.</p>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 126 (11), 605-620, 2020-11-15

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (35)*注記

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