気管支鏡検査でのブラシ・鉗子洗浄液のセルブロックが診断に有用であった十二指腸粘液癌術後肺転移の1例

DOI
  • 冨田 早織
    愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院呼吸器内科
  • 中尾 心人
    愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院呼吸器内科
  • 荒川 総介
    愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院呼吸器内科
  • 藤田 浩平
    愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院呼吸器内科
  • 山田 和佳
    愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院臨床検査技術科
  • 北島 聖晃
    愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院臨床検査技術科
  • 石川 操
    愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院病理診断科
  • 佐藤 英文
    愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院呼吸器内科
  • 村松 秀樹
    愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Recurrent Duodenal Mucinous Adenocarcinoma as Pulmonary Metastases Successfully Diagnosed Using Cell Blocks from Brush and Forceps Washing Fluid in Bronchoscopy

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抄録

<p>背景.十二指腸粘液癌は非常に稀であり,肺転移による再発を認めた症例の報告はない.また,気管支鏡検査で得られた液性検体のセルブロックが診断に有用であったという報告は少ない.症例.73歳の男性.2008年5月に,当院外科で十二指腸粘液癌の診断のため膵頭部十二指腸切除術が施行された.術後5年間は再発を認めず,外科は終診となったが,2019年9月に健診の胸部X線写真で左肺野に腫瘤影を指摘され,当科受診となった.胸部CTで左肺上葉に13.5 cmの腫瘤影を,右肺中葉に約2.0 cmのpart-solid noduleを認めた.左肺腫瘤に対しCTガイド下生検を施行し,十二指腸粘液癌の肺転移と診断した.右肺結節は原発性肺癌の可能性を考え,気管支鏡検査を施行した.鉗子生検の組織量が不十分であり,ブラシ・鉗子洗浄液のセルブロックを用いた免疫組織化学染色で,右肺結節も十二指腸癌の肺転移と診断した.結論.十二指腸粘液癌の術後11年目に肺転移で再発し,その診断にブラシ・鉗子洗浄液のセルブロックが有用であった貴重な症例を経験した.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 43 (1), 72-77, 2021-01-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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