神経筋専門病院における小児期発症ジストロフィノパチー患者の成人診療科へのトランジションおよび小児期の診療連携に関するアンケート

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A questionnaire survey on transitions from pediatric to adult care for patients with childhood-onset dystrophinopathies in specialized hospitals for neuromuscular diseases and their collaboration with community-based pediatric facilities

この論文をさがす

抄録

<p> 【目的】神経筋専門病院における小児期発症ジストロフィノパチー患者の成人診療科へのトランジションおよび地域小児科との連携の現状を明らかにし, スムーズな小児—成人移行期医療について検討する. 【方法】全国の神経筋専門病院29施設に郵送でアンケートを実施した. 【結果】24施設から回答があり, 「成人科への診療科移行が行われている」 のは半数, 「診療科移行が難しい」 と回答したのは19施設で, 診療科移行が難しい現状が示唆された. 難しい点として, 患者・家族との関係性構築, 情報伝達, 移行時期などが挙がり, 7施設ではこれらに関して様々な工夫を行っていた. 専門病院以外での小児期の診療に関して, 病態や病状の説明, 遺伝情報の説明, リハビリテーションなどに問題を感じていた. 小児期の診療における連携では, 「他院と並行して専門病院でもフォローする」, 専門病院の役割を 「専門的なアドバイスや情報発信」 とする回答が多かった. 【結論】小児期発症ジストロフィノパチー患者は, 小児期は地域の小児科が, 成人期には専門病院が中心となりフォローしていると考えられた. 成人科への診療科移行が難しい現状がみられたが, 小児期の早い段階から専門病院と連携することで, 小児期に必要なトータルケアが提供できると同時に, スムーズな成人診療科へのトランジションに繋がると思われた.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 53 (1), 21-27, 2021

    一般社団法人 日本小児神経学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ