学級集団の状態と教育的相互作用の関係の検討

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  • ガッキュウ シュウダン ノ ジョウタイ ト キョウイクテキ ソウゴ サヨウ ノ カンケイ ノ ケントウ

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抄録

本研究は,教育環境として児童相互が建設的で切磋琢磨するような状態になっている学級集団を抽出し,学級内に生じている子どもたちの相互作用や学級集団に生起している教育作用を明らかにし,今後の教師の学級経営の指針を得ることを目的とした。結果,学級集団の状態として,①個人の士気と同時に集団士気が高まっている,②集団生産性が高まる取り組み方法・協同体制・自治体制が確立している,という指標が抽出された。またそれらを成立させている要因として,③集団斉一性が高くなっている,④集団内の子どもたちの自己開示性と愛他性が高まっている,⑤集団凝集性が高まっている,という特徴が示唆された。さらに③④⑤を維持する要因として,⑥集団機能・PM機能が子どもたち側から強く発揮されている,⑦⑥を強化する集団圧が高まっている,という特徴が見いだされた。さらに,①~⑦の要因を基底から支えている要因として学級の子どもたちの集団同一視の高さが認められた。以上から,学級集団は共同体の傾向を持つに至ったと考察された。

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