1967年羽越水害の伝承手法としての「えちごせきかわ大したもん蛇まつり」の成立・継続・効果に関する調査・考察

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タイトル別名
  • A Consideration of History and Effect on“The Sekikawa Taishita Monja Matsuri” Festival as a Disaster Memorial Method for the 1967 Uetsu Flood Disaster
  • 1967ネン ウエツスイガイ ノ デンショウ シュホウ ト シテ ノ 「 エチゴセキ カ ワ タイシタ モ ンヘビマツリ 」 ノ セイリツ ・ ケイゾク ・ コウカ ニ カンスル チョウサ ・ コウサツ

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抄録

1967年羽越水害に由来する新潟県関川村「たいしたもん蛇まつり」を対象に,インタビュー調査や資料調査にもとづいて,どのようにしてはじまったのか,どのようにして継続できているのか,災害伝承として機能しているのか,を明らかにすることを試みた。その結果,1 )「大したもん蛇まつり」は,祭を通した人材,特にリーダーの育成がもともとのモチベーションであり,災害伝承ありきではなかったこと,2 )大蛇をモチーフにしたのは,村に伝わる大里峠伝説では大蛇を退治するというストーリーと,大蛇が水害・土石流の象徴する神であることとが,羽越水害の犠牲者を供養するという位置付けと整合していたこと ,3 )竹と藁で作る大蛇という,「こわれるもの」「くちるもの」を媒体にすることで,更新の際に世代間をつなぐ役割が果たされていること,4 )村民に対しては強制をしないように,また,外部の人材資源を積極的に活用していること,5 )祭の由来を学習する学校教育を媒介することで,伝承の機能が果たされていること,などが明らかになった。

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