初期臨床研修医を対象としたICLS研修の効果

DOI
  • 伊井 みず穂
    富山大学医学薬学教育部 危機管理医学・医療安全学 富山大学医学部看護学科 成人看護学
  • 奥寺 敬
    富山大学学術研究部医学系 危機管理医学・医療安全学
  • 若杉 雅浩
    富山大学学術研究部医学系 危機管理医学・医療安全学
  • 徳田 秀光
    富山大学附属病院 災害・救命センター
  • 安田 智美
    富山大学医学部看護学科 成人看護学

書誌事項

タイトル別名
  • Validation Study on Immediate Cardiac Life Support Course for Primary Clinical Intern using Paper Participant Survey developed for Off-the-job-trainings

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抄録

【目的】今回,2018年度の富山県内医療機関の初期臨床研修医を対象としたICLSコースにおいて,前後の受講者自己評価を施行し,ICLSコースの効果について検討した。<br> 【対象と方法】2018年4月に開催したICLSコースの受講者を対象に,質問紙による自己評価を行った。ICLSコース内区分において5段階の行動レベルで自己評価を記入し受講前後での比較検討を行った。<br> 【結果】受講者48名中,44名(91.6%)を分析対象とした。受講後,BLSでは「自信を持ってできる」の割合が有意に増加(P<0.01)し,「助けがあればできる」の割合が有意に低下(P<0.05)した。気道管理では「できる」の割合が有意に増加(P<0.01)し,「できない」の割合が有意に低下(P<0.01)した。モニター・除細動では「自信を持ってできる」の割合が有意に増加(P<0.05)し,「できない」の割合が有意に低下(P<0.01)した。輸液路・薬剤投与では「できる」の割合が有意に増加(P<0.01)し,「できない」の割合が有意に低下(P<0.01)した。シナリオステーションでは「できる」「助けがあればできる」の割合が有意に増加(P<0.05)し,「できない」の割合が有意に低下(P<0.01)した。<br> 【考察】国家試験合格直後の初期臨床研修医におけるICLS研修会において,いずれの項目でも自己評価は上昇していた。臨床経験のない研修医では,本コースが継続して学習していくための動機付けとなり,今後の研修を積んでいくことで,スキルを身につけ,シミュレーション学習を積み重ねていくことで,自信を身につけることができると考えられ,初期臨床研修医対象シミュレーション研修ICLSコースにおいての目標は達成できていると考える。<br>

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