常磐南部～房総海域で漁獲されるマアジの年齢と成長，成熟

DOI 日本農学文献記事索引 Web Site
  • 多賀 真
    茨城県水産試験場 京都大学フィールド科学教育研究センター
  • 山下 洋
    京都大学フィールド科学教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Age, growth and maturity of jack mackerel <i>Trachurus japonicus</i> off the Pacific coast of southern Joban-Boso area
  • トキワ ナンブ~ボウソウ カイイキ デ ギョカク サレル マアジ ノ ネンレイ ト セイチョウ,セイジュク

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抄録

<p>常磐南部～房総海域で漁獲されたマアジについて，生殖腺重量指数（GSI）による産卵期の推定，耳石横断切片による輪紋形成期の推定と年齢査定を行った．GSIの結果からは，成熟個体は6–8月にのみ出現していたため，この期間が本海域の産卵期であることがわかった．1歳での成熟個体は確認されず，本海域では2歳で成熟することが明らかになった．一方，耳石の縁辺成長率の推移から，本海域のマアジの輪紋形成期は5–9月と推定され，GSIから推定された産卵期とほぼ一致した．これらの結果に基づいて，7月を年齢起算月として漁獲時点での年齢と尾叉長からvon Bertalanffyの成長式にあてはめたところ，Lt=29.4（1-e-0.38(t+1.08)）（0.33≤t≤19.67）となった．本海域のマアジは熊野灘以西の海域と比較して成長が遅く，高齢魚が多い傾向にあった．本海域はマアジの適生息水温を下回る期間が長いことから，低水温環境が低成長，高寿命と関連している可能性が示唆される</p>

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 82 (4), 167-175, 2018-11-25

    一般社団法人 水産海洋学会

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