自己免疫性溶血性貧血を合併した原発性胆汁性胆管炎の2例

  • 道免 和文
    国家公務員共済組合連合会千早病院消化管・肝胆膵センター
  • 山本 洋
    国家公務員共済組合連合会千早病院内科
  • 山本 麻太郎
    国家公務員共済組合連合会千早病院内科
  • 小野原 伸也
    国家公務員共済組合連合会千早病院消化管・肝胆膵センター
  • 相島 慎一
    佐賀大学医学部病因病態科学診断病理学分野
  • 下田 慎治
    九州大学医学部病態修復内科学(第1内科)

書誌事項

タイトル別名
  • Two cases of primary biliary cholangitis associated with autoimmune hemolytic anemia
  • ジコ メンエキセイ ヨウケツセイ ヒンケツ オ ガッペイ シタ ゲンパツセイ タンジュウセイタンカンエン ノ 2レイ

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抄録

<p>1例目は71歳,女性.動悸を主訴に当科を紹介受診した.血色素7.7 g/dl,ハプトグロビン10 mg/dl以下,Coombs試験陽性から自己免疫性溶血性貧血(AIHA)と診断された.プレドニゾロン(prednisolone,PSL)投与が著効したが,AIHAの診断後1年8カ月経過した頃よりALP,γGTPの上昇ならびに抗ミトコンドリアM2抗体の高値を示し,肝組織検査で中沼分類stage 2の原発性胆汁性胆管炎(PBC)と診断された.2例目は67歳,男性.褐色尿を主訴に当科を紹介受診した.血色素が10.3 g/dl,ハプトグロビンが10 mg/dl以下,Coombs試験が陽性であり,AIHAと診断された.1例目同様にPSLが著効したが,初診時からの持続的なALP,γGTPの上昇ならびに抗ミトコンドリアM2抗体の高値を示し,肝組織検査で中沼分類stage 2のPBCと診断された.2症例ともにウルソデオキシコール酸が奏効し,肝胆道系酵素は正常化した.自己免疫性疾患であるPBC,AIHAの合併例は稀であり,発症機序,治療について考察した.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 62 (3), 144-151, 2021-02-26

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (19)*注記

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