災害拠点病院であることと被災経験が事業継続計画に基づく病院災害対応計画に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Influence of Disaster Hospital Designation and Disaster Experience on the Disaster Response Plans of Hospitals Based on the Business Continuity Plan
  • サイガイ キョテン ビョウイン デ アル コト ト ヒサイ ケイケン ガ ジギョウ ケイゾク ケイカク ニ モトズク ビョウイン サイガイ タイオウ ケイカク ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

<p>本研究は事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan, 以下BCPとする)に基づいた病院災害対応計画に災害拠点病院であることと被災経験がどのように影響しているかを調査し,病院災害対応計画の現状と課題を明らかにすることを目的する。全国の医療機関8512施設からランダムサンプリングし,1500施設の看護部長に質問紙調査を依頼した。調査では属性,厚生労働省の病院におけるBCPの考え方に基づいた病院災害対応計画作成の手引きを知っているかを尋ね,さらに厚生労働省BCPチェックリストの内容で看護師にかかわる内容の26項目について回答してもらった。質問紙を送付した1500施設中,356施設の看護部長から回答が得られた(回収率,23.7%)。</p><p>災害拠点病院でも非災害拠点病院でも取り組んでいるBCPに基づいた災害対応計画の項目として,医療機器・棚などの転倒・転落の防止措置,エレベーターが停止した場合の配膳方法,災害時における徒歩または自転車で通勤可能な看護師数の把握の3つがあることが明らかになった。これには東日本大震災での教訓が影響していると考えられた。また,被災したことのある病院とない病院の現状から,医療機器・棚などの転倒・転落の防止措置について検討し実施すること,エレベーターが停止した場合の患者や物資の搬送方法・配膳方法を検討すること,災害マニュアルを備えそれに準拠した訓練を実施することの3つが被災したことのない病院の災害対応計画の課題であることが明らかになった。</p>

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