P-102 フォワードランジ動作時の膝関節外反に影響を与える因子の検討-静的アライメントに着目して -

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抄録

<p>【目的】動作時の膝関節外反と下肢アライメントとの関係は多数報告されているが,一貫した見解が得られていない.本研究ではフォワードランジ(FL)動作時の膝関節外反と下肢の静的アライメントとの関係を検討することを目的とした.</p><p>【方法】対象は,整形外科的疾患の既往のない女性43 名(年齢20.44±1.72)とした.本研究は,対象者に研究の説明を十分に行い,口頭及び書面にて同意を得て行った.課題動作はFL 動作とし,測定肢は右下肢とした.測定には三次元動作解析装置,デジタルカメラを用い,動作時膝関節外反角度,股関節外旋可動域,股関節内旋可動域,立位時膝関節外反角度および膝関節屈曲角度,Leg Heel Angle(LHA),Craig test での大腿骨前捻角(前捻角),Navicular Drop(ND)を算出した.統計解析には重回帰分析(ステップワイズ法)を用い,従属変数を動作時膝関節外反,独立変数を股関節外旋可動域,股関節内旋可動域,静止時膝関節外反,膝関節屈曲,前捻角,LHA,ND とした.有意水準は5%とした.</p><p>【結果】重回帰分析の結果,股関節内旋可動域(β=-0.32)と股関節外旋可動域(β=0.26)が抽出された.調整済み決定係数は0.18 であり,算出した回帰モデルは統計学的に有意であった(p<0.01).</p><p>【考察】動作時の膝関節外反は足関節のアライメントとの関係性が数多く報告されている.しかし,股関節を含めた静的下肢アライメントにおいては足関節よりも股関節内旋や外旋といった股関節の回旋可動域に影響を受ける可能性が示唆された.一方,重回帰分析における決定係数が低値であり,静的アライメントのみで動作時の膝関節外反を予測するのは困難であること言える.</p><p>【まとめ】FL 動作時の膝関節外反には,股関節回旋可動域が強く影響することが考えられたが,筋活動など動的な要因を含めて検討する必要がある.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390287363462523264
  • NII論文ID
    130007997566
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.35.0_286
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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