<i>Diaporthe eres</i>によるキバナフジ‘ボッシー’胴枯病および随伴するスエヒロタケ菌の病原性との比較

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  • Canker of Voss’s laburnum caused by <i>Diaporthe eres</i> compared with the pathogenicity of accompanying <i>Schizophyllum commune</i>
  • Canker of Voss's laburnum caused by Diaporthe eres compared with the pathogenicity of accompanying Schizophyllum commune

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抄録

<p>キバナフジ‘ボッシー’(Laburnum×watereri ‘Vossii’)はマメ科の落葉花木である.近年,ボッシーの樹皮が褐色~黄褐色に壊死し,しばしば先枯れ症状に発展する被害が報告されている.病斑にはしばしばスエヒロタケの子実体が見られたが,子実体を伴わない病斑ではDiaporthe属の1菌種の分離頻度が高かった.これらの2菌種を一年枝に有傷接種すると,スエヒロタケが辺材に病原性を示したのに対し,Diaporthe属菌は辺材に加えて原病徴同様に内樹皮を壊死させ褐色に変色させた.分離されたDiaporthe属菌のα分生子は卵形から紡錘形,まれに不整形で,無色,単胞,2つの油滴を含み,形態的特徴はD. eresとほぼ一致した.また,6遺伝子座を用いた最尤系統樹において本菌株は,D. eresのクレード内に位置した.以上より胴枯症状を引き起こす病原菌をD. eresと同定し,新病名キバナフジ‘ボッシー’胴枯病を提案する.</p>

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