消化管粘膜下腫瘍に対するEUS診断

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  • ENDOSCOPIC ULTRASONOGRAPHIC DIAGNOSIS OF GASTROINTESTINAL SUBMUCOSAL TUMORS

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抄録

<p>消化管粘膜下腫瘍(submucosal tumor:SMT)は日常臨床ではしばしば遭遇する疾患であるが,その定義は粘膜より深部に存在する壁内病変により粘膜が挙上された隆起の総称とされている.通常内視鏡検査では病変そのものの観察を行うことができず,かつ多彩な組織を呈するため診断は困難な場合が多く,超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography:EUS)が診断に有用である.EUSには大きく分けて,超音波内視鏡専用機を用いて行う方法と,通常内視鏡の鉗子口から出す細径超音波プローブを用いた方法があるが,いずれにしても詳細な画像診断には良好な画像の描出が必須であり,機器や描出方法の選択に留意する必要がある.EUSで特徴的な所見を示す脂肪腫,異所性膵,嚢胞,リンパ管腫などのSMTでは,通常内視鏡およびEUSで診断がほぼ可能であり,組織採取は必要ない.一方,粘膜下層および固有筋層の内部が低エコーや不整なエコーの病変は診断困難な病変も多く,これらの病変を確定診断するには,組織採取による病理診断が推奨される.そのような病変に対してはEUS下穿刺吸引細胞診および開窓生検法など様々な手法で組織採取が行われているが,同時に新しい診断手技の開発による画像診断の進歩にも期待したい.</p>

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