温度スイング型CO<sub>2</sub>吸着分離塔の設計要件

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タイトル別名
  • Design Requirements of Pressure Temperature Swing Adsorber
  • 温度スイング型CO₂吸着分離塔の設計要件
  • オンド スイングガタ CO ₂ キュウチャク ブンリトウ ノ セッケイ ヨウケン

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抄録

<p>我々は燃焼排ガスからCO2のみを吸着分離して,そのCO2と再生可能エネルギーを用いて水電解したH2を原料としてCH4を合成するシステムを構築している.物理吸着法はCO2を排ガスから分離するための有望な手段の一つであるが,既存の圧力温度スイング吸着法(PTSA)では,CO2回収率80–95%を得るのに2–3 GJ/ton-CO2程度の動力が必要である.これに対して,本システムではCO2脱離時にH2を流通するとともにメタン化反応熱を供給することで,より高いCO2回収率を低動力で実現できる.一方で,限られた熱を有効利用するためには適切な分離塔設計が必要である.そこで,本研究では,CO2回収性能を決定する温度スイング型CO2吸着分離塔の構造因子をシミュレーションにより明らかにした.分離塔は熱交換性能に優れるシェルアンドチューブ型とし,チューブ内にゼオライト13Xを充填し,チューブ,シェル間に吸着材を加熱冷却する媒体としてオイルを流す.分離塔は計3塔で構成され,それぞれが一定時間で吸着,脱離,冷却の工程を繰り返し,連続的にCO2を分離回収する.このとき,メタン化反応熱を回収したオイルを脱離工程の塔へと供給する.チューブ本数,直径,長さ,厚さ,オイル流路幅をパラメータとしてCO2回収率に対するそれぞれの感度を調べた.CO2回収率は吸着工程での冷却効率(吸着熱の除去効率),脱離工程での加熱効率(メタン化回収熱量の内,吸着材に渡された熱量の割合)で決まり,冷却効率,加熱効率はそれぞれ分離塔の比表面積(熱交換面積/吸着材充填層体積),熱容量割合(分離塔全熱容量に対する吸着材の熱容量の割合)に依存することがわかった.また,本指針を基に製作した分離塔を用いて,メタン化反応熱を除いた消費動力1.4 GJ/t-CO2でCO2回収率≒100%を達成した.</p>

収録刊行物

  • 化学工学論文集

    化学工学論文集 47 (2), 28-35, 2021-03-20

    公益社団法人 化学工学会

参考文献 (9)*注記

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