極晩生モモにおける果実肥大および成熟様相

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タイトル別名
  • Characterization of Fruit Enlargement and Ripening in Extremely Late Maturing Peach
  • ゴク バンセイ モモ ニ オケル カジツ ヒダイ オヨビ セイジュク ヨウソウ

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抄録

<p>近年,11月に商業的な収穫がなされる極晩生 ‘冬桃がたり®’ の栽培が岡山県で進められている.‘冬桃がたり®’ の果実肥大様相や成熟果の特性を明らかにすることを目的として,岡山県総社市の生産園において,同園に植栽の晩生の ‘あきぞら’ と比較して果実発育を2年間調査した.‘冬桃がたり®’ では,果実発育第1期は,‘あきぞら’ とほぼ同時期に終了したが,果実発育第2期は‘あきぞら’ よりも1か月長く8月上旬まで約2か月続いた.この時期の生長速度は ‘冬桃がたり®’ で著しく低かった.一方,種子内組織の胚乳や胚の生長には両者に大差なかった.果実肥大を再開した果実発育第3期では果実の相対生長速度が‘あきぞら’よりも少し低く,10月末まで肥大を継続した.その後,収穫まで数週間の成熟期が観察された.両年とも,‘冬桃がたり®’ は収穫時に,既にエチレン生成を開始していた.収穫果実を20°Cで15日間追熟して特性を見たところ,果肉硬度の低下が小さく,両年とも追熟6日後から12日後まで可食適期が続いた.さらに ‘冬桃がたり®’ の接ぎ木個体を岡山大学圃場に移植し,発育特性を調査したが生産園地と同様であることが確認され,‘冬桃がたり®’ の果実肥大の固有の特徴は接ぎ木繁殖下でも安定した特性であることが明らかとなった.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 20 (1), 65-71, 2021

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (11)*注記

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