浸み上がりおよび冠水が海氷上における積雪の温度へ与える影響

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タイトル別名
  • Effect of brine wicking and flooding on temperature of snow on sea ice
  • シミアガリ オヨビ カンスイ ガ カイヒョウジョウ ニ オケル セキセツ ノ オンド エ アタエル エイキョウ

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抄録

浸み上がりおよび冠水の影響を受けた海氷上の積雪の温度変化を調べるため,2006 年と2007年の2月に, 北海道サロマ湖で観測を行った. 浸み上がりおよび冠水は2007年に観測された. また,2007年の観測では, 浸み上がりおよび冠水の影響を受けた積雪の状態を調べ, これに対応する積雪の温度を連続測定した. 積雪下部に形成された濡れ雪および冠水雪の鉛直温度分布は, 気温変化によらずほぼ-2℃で等温状態となった. 冠水が観測されなかった2006年の結果との比較により, 積雪中に存在する多量の水分が雪温へ与える影響が明らかとなった. このことについて, 乾雪と濡れ雪および冠水雪の熱拡散係数を求めて考察した結果, 濡れ雪および冠水雪の熱拡散係数は, 乾雪の値より1桁から2桁小さくなることが分かった. このことが, 濡れ雪および冠水雪の温度変化が乾雪の温度変化と比較して小さい原因であると結論できる.

収録刊行物

  • 雪氷

    雪氷 70 (4), 423-433, 2008

    公益社団法人 日本雪氷学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (38)*注記

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