なぜエンゲージメントが必要なのか Engaged Journalism の実践者たちの話を聞く 第1回

書誌事項

タイトル別名
  • Why Engagement is Necessary: Interviews with Practitioners and Thinkers on Engaged Journalism [Part I]
  • ナゼ エンゲージメント ガ ヒツヨウ ナ ノ カ Engaged Journalism ノ ジッセンシャ タチ ノ ハナシ オ キク(ダイ1カイ)

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抄録

情報が氾濫する時代にあって、錯綜する複雑な情報を検証して整理し、意味づけ、説明する役割を果たせるか、メディアは力量を試されている。発信するニュースが人々に届き、理解され、響いているのかを知る努力と、足りないところがあれば見直す柔軟性が求められている。発信するばかりの一方向ではない、双方向に学びがある対話、ともに情報をかたちづくる関係、エンゲージメントが必要になっている。 ではエンゲージメントとは何か、何が従来の取材と違うのか、何を達成するものなのか、本シリーズではEngaged Journalismの報告(本誌2020年3月号)で取材したジャーナリストたちのインタビューから、それぞれに多様な考え方を、背景にある動機、試行錯誤の軌跡、手応えの実感などをふまえて紹介する。 第1回は伝統メディアであるシアトルの2つの公共ラジオのジャーナリストたちを取り上げる。このうちknkxは、米西海岸の都市部で急増するホームレスの人たちに焦点をあてたポッドキャストのシリーズで初めてのエンゲージメントに取り組んでいる。もう一方のKUOWではエンゲージメント担当のチームが5年前から活動してきた。地域で〝異端″扱いされる人たちと市民の対話を促すことや、記者が自分の仕事について市民に話をする対話の機会を定期的に持つなどしている。実績も手法も違うが、2つのラジオ局は、いずれもエンゲージメントを通して、ニュースルームを外に向けて開き、記者が取材相手との間に壁を作らずに向き合うこと、そして社会の分断を越えて理解を深めることを模索している。

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