新型コロナウイルス感染拡大と流言・トイレットペーパー買いだめ

書誌事項

タイトル別名
  • Toilet Paper Rumors and Hoarding Induced by the Spread of Coronavirus Infections
  • 新型コロナウイルス感染拡大と流言・トイレットペーパー買いだめ : 報道のあり方を考える
  • シンガタ コロナウイルス カンセン カクダイ ト リュウゲン ・ トイレットペーパー カイダメ : ホウドウ ノ アリカタ オ カンガエル
  • Discussing the Role and Responsibility of News Reporting
  • 報道のあり方を考える

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説明

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、トイレットペーパーをめぐる流言と買いだめが如何にして発生したのか、また、両者がどのように関わり合っているのかを検証した。そのうえで、流言と買いだめを的確に抑制する報道のあり方を考察した。検証と考察の結果は以下の通り。 ■「トイレットペーパーが不足する」という流言の発生には、マスク不足、オイルショック、海外の買い占め騒動が心理的要因として作用していた。日本とシンガポールなどで拡散した流言はほぼ同じ内容であり、感染症の流行による国際社会の不安から、流言は国境を越えて拡がった。 ■買いだめの動きは、流言がきっかけとなって各地で散発的に始まり、2月28日に急加速した。急加速を主に促したのは、品切れの様子を伝えたテレビだった。 ■流言を信じて買いだめをした人は少なかった。多くの人は流言を信じていなかったが、「他人は流言を信じて買いだめをしているので、このままでは品物が手に入らなくなる」と思い、買いだめをしていた。そうした心理は品切れとなる店舗が増えるにつれて増幅し、買いだめに拍車をかけた。 ■流言を否定する情報は、店頭から現実にモノが消えているので、説得力を欠いた。買いだめが加速すればするほど、品不足への不安が高じて、流言の打ち消しは効果が逓減した。 ■流言が社会に悪影響を及ぼす群衆行動へとエスカレートする前に、流言の拡散を抑え込まなければならない。

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