幼児期後期の嘲笑理解の発達

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  • 感情理解・心の理論・道徳性の観点から

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抄録

幼児期後期における嘲笑理解の発達について、他者感情理解、心の理論および道徳性の観点から検討するため、2つの実験を行った。実験1では、年少時に調査した年長児7名(男児3名,女児4名,平均年齢6歳4か月)に対し、感情理解課題、心の理論課題、笑いの攻撃性理解課題および絵画語い発達検査(PVT-R)の追跡調査を行った。実験2では、実験1の7名を含む年長児10名(男児6名,女児4名,平均年齢6歳4か月)を対象に、笑いの攻撃性比較課題を実施した。その結果、幼児期後期の嘲笑理解の発達には、語い年齢、他者の感情理解や心の理論、失敗を笑うことに対する道徳的判断および相手を失敗させる行為か否かを判断する故意性の理解が相互に関連している可能性が示唆された。嘲笑を含む笑いの攻撃性の理解には、高次の心の理論や道徳性の発達が絡んでいることから、本研究で用いた「笑いの攻撃性理解課題」と「笑いの攻撃性比較課題」について、笑われたことが原因でネガティブな感情になることを説明することや攻撃の意図を判断することは、高度な心の理論(AToM)の観点から検討していく必要があることが示唆された。

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