加計呂麻島須子茂集落の生垣景観に関する研究

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  • カケイロマトウスコモシュウラク ノ イケガキ ケイカン ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

奄美群島の伝統的な塀・垣としてはサンゴの石垣が有名であるが、加計呂麻島須子茂集落では独特な生垣 景観が形成されている。暑熱地域であり台風常襲地域である加計呂麻島の地理的条件を考慮すると、利風・防風を 兼ねた生垣であると考えられ、本研究ではその実態を明らかにすることを目的として現地調査を行った。その結果、 集落全体の 7 割弱の屋敷囲いが生垣で構成され、生垣の樹種としてはゲッキツが最も多いことが明らかになった。 ゲッキツは剪定に強く、強剪定により夏季における通風をある程度確保できるような生垣を望んで選択された樹種 である可能性が考えられる。一方、昭和 35 年前後にコンクリート護岸が設置された後に形成された海岸沿いの生 垣は、生垣が直接海風にさらされることから、マサキやハイビスカスなど潮風に強い樹種が多く用いられている。 人口減少やそれに伴う集落内の土地利用の変化が、生垣景観に影響を与えることが明らかになった。

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