大隅半島稲尾岳南麓のニホンザルの集団サイズ

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タイトル別名
  • Group size of Japanese macaques at the southern foot of Mt. Inao on the Osumi Peninsula

抄録

<p>鹿児島県大隅半島の稲尾岳南麓の常緑広葉樹林に生息するニホンザル(Macaca fuscata)の集団サイズを分析した。調査は2013~2015年と2019年の8~ 9月に、各年3~6日間行った。調査地を縦断する道 路計13.7kmの区間を1日あたり7~12人で繰り返し踏査し、遭遇したニホンザルを性・年齢クラス別にカウントした。計20日間の調査で、メスを含む複数の個体からなる集団を32回観察した。カウントされた個体数(以下、「集団サイズ」)の平均±標準偏差は 45.7 ± 45.9頭(range= 4 – 214頭)だった。1日に 平均1.6集団(range = 0 – 4)観察したが、1日に観察した全集団の集団サイズの合計は、調査期間中の最大集団サイズ(214頭)を超えることはなかった。集団で観察された各性・年齢の平均個体数は、オトナメス14.7頭(range = 1 – 76)、オトナオス5.2頭(range = 0 – 16)、コドモ10.5頭(range = 0 – 45)、アカンボウ8.2頭(range = 0 – 54)、不明7.1頭(range = 0 – 55)だった。集団サイズの標準偏差が大きかったことから、この地域では、200頭程のニホンザルの群れが、日によって異なる集団サイズのサブグループを作り、離合集散している可能性が示唆された。ニホンザルの亜種では、ホンドザル(M. f. fuscata)はヤクシマザル(M. f. yakui)と比べ、大きな集団サイズの群れをつくることが知られている。ホンドザルの分布域の中でも屋久島に近い植生では、大きな群れが、小さなサブグループを日常的に作って生活しているのかもしれない。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390287783176743552
  • NII論文ID
    130008029203
  • DOI
    10.14907/primate.36.0_47_1
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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