多施設合同検討で得られたGBSスクリーニング検査における増菌培養の有用性

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タイトル別名
  • Usefulness of enrichment culture for GBS screening based on a multicenter study
  • タシセツ ゴウドウ ケントウ デ エラレタ GBS スクリーニング ケンサ ニ オケル ゾウキン バイヨウ ノ ユウヨウセイ

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抄録

<p>B群連鎖球菌(Group B Streptococcus;以下GBS)は垂直感染により新生児における髄膜炎および敗血症に関与する主な起炎菌である。アメリカ疾病予防管理センターの「Prevention of Perinatal Group B Streptococcal Disease Revised Guidelines from CDC, 2010」では,妊娠35~37週に増菌培養法を推奨している。6施設で合同検討する機会を得たので,GBS増菌培地の施設間の比較および有用性を報告する。また,非溶血性GBSを逃さないようにするため直接ラテックス凝集法の検討も実施し,直接培養法,増菌培養法(サブカルチャー法および直接ラテックス凝集法)の3法を用いてGBSの検出数を調査した。直接培養法と増菌培養法の比較では,6施設中5施設で増菌培養法により1.0~2.0倍陽性率が上昇し平均1.4倍であった。当院において1年間追加検討を実施した結果,1.6倍となり,差は認められなかった。サブカルチャー法と直接ラテックス凝集法では,全施設でGBSの同定結果と乖離は認められなかったため,サブカルチャー法を省略することができると示唆された。GBSスクリーニング検査の検出率向上のため,増菌培養は有用であると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 70 (2), 267-272, 2021-04-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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