金属有機構造体を用いた分子ふるい作用によるパラキシレン分離

  • 米澤 彰広
    関西大学環境都市工学部エネルギー · 環境工学科
  • 田中 直樹
    関西大学環境都市工学部エネルギー · 環境工学科
  • 早瀬 吉希
    関西大学環境都市工学部エネルギー · 環境工学科
  • 佐野 誠
    関西大学環境都市工学部エネルギー · 環境工学科
  • 鈴木 俊光
    関西大学環境都市工学部エネルギー · 環境工学科
  • 三宅 孝典
    関西大学環境都市工学部エネルギー · 環境工学科

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular-sieving Separation of <i>p</i>-Xylene with Metal-organic Frameworks
  • Molecular-sieving Separation of p-Xylene with Metal-organic Frameworks

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説明

<p>テレフタル酸あるいはフマル酸などの有機リンカーとAl3+あるいはZr4+などのカチオンからなる有機金属構造体(MOF)を,水熱合成法あるいはソルボサーマル合成法により調製した。得られたMOFをXRD,N2-吸脱着等温線およびFE-SEMで解析し,クロマトグラフィーによるキシレン混合物からのパラキシレン分離用の充填剤として用いた。大きなリンカーで調製されたMOFでは,キシレンはミクロ細孔内を拡散し,基本的に分子運動直径に従って流出した。結晶性の低いあるいは非常に小さいミクロ細孔のMOFでは,キシレンがMOFの粒子間の空間を通過し,パラキシレンの分離はできなかった。一方,フマル酸とZr4+からなるMOF(MOF-801)では,オルソキシレンとメタキシレンが速やかに流失し,パラキシレンが遅れて流出した。これは,オルソキシレンとメタキシレンがMOF-801のミクロ細孔に入ることができずMOF粒子間の空間を通過し,パラキシレンがミクロ細孔内を拡散したためである。MOF-801での分離の温度依存性から,140 ℃より低温ではキシレンがミクロ細孔内に拡散できないことが分かった。170 ℃では,最も小さいパラキシレンがミクロ細孔内を拡散し,このためオルソキシレン,メタキシレンからパラキシレンが分子ふるい作用により分離できた。MOF-801は,キシレンへの繰り返し暴露や吸着したキシレンの高温での除去に対して安定であった。</p>

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参考文献 (39)*注記

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