一大学病院の糖尿病患者における足部の実態調査

DOI
  • 大江 真琴
    東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻老年看護学/創傷看護学
  • 真田 弘美
    東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻老年看護学/創傷看護学
  • 長瀬 敬
    東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻老年看護学/創傷看護学
  • 大橋 優美子
    東京大学医学部附属病院看護部
  • 植木 浩二郎
    東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科
  • 門脇 孝
    東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of foot ulcer risk in diabetic patients at a university hospital based on the risk categorization system of the International Consensus on the diabetic foot
  • ―インターナショナル・コンセンサスのリスク分類に基づいて―

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抄録

<p> 糖尿病足潰瘍予防ケアの重要性が認識される一方、日本で予防ケアのニーズを検討した報告はない。そこで2007年9月から2008年3月に大学病院糖尿病代謝内科を受診した糖尿病患者579名に神経障害、血管障害、足変形、足潰瘍の既往、非潰瘍病変、自覚症状を調査した。インターナショナル・コンセンサスに基づきリスクを分類し、定期的観察と診察、教育、靴の適用、非潰瘍病変の治療のニーズを検討した。診療録より足外来受診率、足潰瘍発症率を算出した。<br> リスク分類の分類0(1年に1回の観察と診察)、1(半年に1回)、2(3ヵ月に1回)、3(1ヵ月に1回)はおのおの72.5、21.3、5.7、0.5%であった。579名のうち、教育、靴、非潰瘍病変の処置の適応はおのおの6.2、31.8、3.6%、36ヵ月後の足外来累積受診率と足潰瘍発症率はおのおの16.4、0.6%であった。非潰瘍病変の保有率は白癬感染のびらん、胼胝、乾燥(18.5、15.7、14.4%)、自覚症状ではこむら返り(52.3%)が高く、自覚症状と医療者の評価との関係では乾燥・亀裂の感度(45.0%)が最も低かった。<br> 足外来の受診率は低く、糖尿病足潰瘍の予防対策は不十分な可能性がある。今後、医療者による観察や白癬、胼胝、乾燥の予防ケアを発展させる必要がある。</p>

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