原子間力顕微鏡と質量分析法を融合する質量分析イメージング法“t-SPESI”の開発

  • 大塚 洋一
    大阪大学大学院理学研究科化学専攻 国立研究開発法人科学技術振興機構 さきがけ

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Mass Spectrometry Imaging Method “t-SPESI” to Combine Atomic Force Microscopy and Mass Spectrometry
  • ゲンシ カンリョク ケンビキョウ ト シツリョウ ブンセキホウ オ ユウゴウ スル シツリョウ ブンセキ イメージングホウ"t-SPESI"ノ カイハツ

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抄録

<p>生体組織は多彩な化学成分を内包し,健康状況に応じてそれらの量や分布が動的に変化する.質量分析イメージングは試料の局所領域に含まれる化学成分群をマススペクトルとして計測し,化学種の試料内分布を可視化できるという特徴を有することから,バイオメディカル分野への応用が期待されている.本稿では,タッピングモード走査型プローブエレクトロスプレーイオン化法(t-SPESI)の研究開発について紹介する.t-SPESIは,原子間力顕微鏡と質量分析法を融合した技術であり,振動するキャピラリプローブを用いることで,ピコリットル溶媒を用いた迅速抽出・イオン化と質量分析イメージングを実現する.生体組織の質量分析イメージングでは,組織中の疾患関連成分の分布を可視化することが出来た.また,原子間力顕微鏡の要素技術である,プローブの振動情報計測とフィードバック制御を応用することで,t-SPESIによるマルチモーダルイメージングが可能となった.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 56 (1), 8-12, 2021-04-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

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