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- 李 建志
- 関西学院大学社会学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Study of “HEITAI-YAKUZA”
- 『 ヘイタイヤクザ 』 ロン ジョセツ
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抄録
「兵隊やくざ」は、1960年代に大映で制作された娯楽映画だ。その原作は、有馬頼義によって書かれた「貴三郎一代」であるが、原作小説と映画は並行してつくられており、日本陸軍の内務班について描かれているのが特徴といっていい。この軍隊内の生活を描く小説は、1952年に野間宏によって発表された「真空地帯」以降、1960年から80年にかけて書き継がれた大西巨人の「神聖喜劇」など、いくつかあげられる。この文脈の中に「貴三郎一代」および「兵隊やくざ」を位置づけると、内務班という非民主的な社会を打破するヒーローとして、「貴三郎一代」および「兵隊やくざ」の主人公である大宮貴三郎の存在の意味が見えてくる。また、「兵隊やくざ」と「貴三郎一代」に登場する歌も分析する。当時軍隊で好んで歌われていたのは軍歌ではなく、「満期操典」や「軍隊数え唄」といったものであった。このような兵隊の唄を知ることで、当時の日本軍の生活を知ることができるようになることだろう。また、「貴三郎一代」では、大宮と「私」は朝鮮人女性を連れてきてP屋(慰安所)を経営するのだが、日本の敗戦で彼女たちと別れるとき、「私」は朝鮮人女性から「アリラン」と「蛍の光」を歌ってもらい、感動しているという場面がある。しかし、当時の朝鮮では韓国の国歌である「愛国家」にはまだメロディがなく、「蛍の光」のメロディで歌われていたことを考えると、彼女たちが「私」に歌ったのは別れの歌ではなく、朝鮮独立の歌としての国家だったと考えられる。このような認識のギャップは、現在までも続いているのではないかと考えるのだ。
収録刊行物
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- 関西学院大学先端社会研究所紀要
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関西学院大学先端社会研究所紀要 11 (0), 27-46, 2014
学校法人 関西学院大学先端社会研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390288060504738432
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- NII論文ID
- 130008038771
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- NII書誌ID
- AA12389157
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- ISSN
- 24344613
- 18837042
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- HANDLE
- 10236/11969
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- NDL書誌ID
- 025451422
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可