1型進行大腸癌様の形態を呈したアメーバ性大腸炎の1例

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  • A CASE OF AMEBOMA MIMICKING COLON CANCER

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抄録

<p>症例は54歳女性.腹部腫瘤を主訴に近医を受診した際に腹部超音波検査で回盲部腫瘤を指摘されたため,当科外来を紹介受診した.大腸内視鏡検査で盲腸に粘液に覆われた30mm大の凹凸不整な結節状の隆起性病変を認め,内視鏡上は1型進行大腸癌を疑った.しかし生検組織の病理検査では上皮細胞に癌の所見はなく栄養型のアメーバ虫体を認めたため,アメーバ性大腸炎と診断し,メトロニダゾール投与を行ったところ腫瘤は消失した.アメーバ虫体の浸潤による粘膜表層の炎症性滲出物の増加が粘膜上層にとどまらず深部に浸潤していることが腫瘤を形成した原因と考えられた.アメーバ性大腸炎で1型進行癌様の形態を呈する症例は稀であるため報告する.</p>

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