1964 年東京大会のごみ・し尿対策

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タイトル別名
  • Waste Treatment Measures Initiated for the 1964 Olympic Tokyo Games
  • 1964ネン トウキョウ タイカイ ノ ゴミ ・ シニョウ タイサク

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抄録

東京都は戦災からの復興を狙いオリンピック招致を行った。その東京大会開催 (1964) の準備にあたっては,「関連事業」として,オリンピックを第一目標とするものではない,長期計画のための施策を選定し,巨費を投じた。その中で清掃局に係るいくつかの事業を,外国人の視線を意識した衛生と美化の観点から「関連事業」に選定した。それは,①それまで都民から問題視されてきた不規則で不衛生,かつ自動車交通や防火にも問題のあった収集体制を,可搬型の容器を利用した定期的な収集方式に改めること,②東京都区部の下水道普及率が 20 % 台で,多くの家庭ではし尿汲取りが行われていたため,便所の水洗化へ金銭的支援をすること,③道路や河川が汚れていたため,清掃を強化することであった。この間および翌年の全国的状況とも照らしあわせれば,大会開催は,東京都の現在にまでつながる廃棄物行政の始まりであった。

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