トリアコンチル基結合型シリカ固定相を用いるイソクラティック溶離HPLC-UV法による緑茶飲料中のカテキン類8種の迅速分析

  • 北見 秀明
    東海大学大学院理学研究科化学専攻
  • 石原 良美
    東海大学大学院理学研究科化学専攻 東海大学理学部化学科
  • 髙野 二郎
    東海大学大学院理学研究科化学専攻 東海大学理学部化学科

書誌事項

タイトル別名
  • Rapid Analysis of Eight Kinds of Catechins in Green Tea Beverage Using an Isocratic Elution Method by HPLC-UV on a Triacontyl Bonded Silica Gel Column
  • トリアコンチルキ ケツゴウガタ シリカ コテイソウ オ モチイル イソクラティック ヨウリ HPLC-UVホウ ニ ヨル リョクチャ インリョウ チュウ ノ カテキンルイ 8シュ ノ ジンソク ブンセキ

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抄録

<p>緑茶飲料の渋味の元となるポリフェノールの一種であるカテキン類は,抗酸化作用やがん細胞の形成や老化につながる遺伝子の突然変異を抑制することが期待されている.著者らが提案する緑茶飲料中のカテキン類8種{GC: (-)-ガロカテキン; EGC: (-)-エピガロカテキン; C: (+)-カテキン; EC: (-)-エピカテキン; EGCg: (-)-エピガロカテキンガレート; GCg: (-)-ガロカテキンガレート; ECg: (-)-エピカテキンガレート; Cg: (-)-カテキンガレート}の迅速分析は溶離液にアセトニトリル/酢酸エチル/20 mMリン酸=10 : 2 : 88を使用し,トリアコンチル結合シリカゲルカラムを用いる高速液体クロマトグラフィー/紫外分光光度検出器(HPLC-UV)により達成できた.この分析条件では検量線の相関係数は10 mg L−1から100 mg L−1の濃度範囲において0.9929から0.9997であり,優れた直線性と再現性を得ることができた.また検出限界(LOD)はGCが2.80 mg L−1,EGCが1.82 mg L−1,Cが0.70 mg L−1,ECが2.80 mg L−1,EGCgが2.66 mg L−1,GCgが1.81 mg L−1,ECgが1.16 mg L−1,Cgが2.75 mg L−1であった.さらに定量下限(LOQ)はGCが9.33 mg L−1,EGCが6.07 mg L−1,Cが2.32 mg L−1,ECが9.34 mg L−1,EGCgが8.86 mg L−1,GCgが6.05 mg L−1,ECgが3.88 mg L−1,Cgが9.15 mg L−1であった.緑茶飲料を用いた添加回収試験では回収率が87.9% から99.2%,RSDが2.2% から4.8% とそれぞれ優れた回収率とRSDが得られ,著者らが提案した分析方法は実試料への適用が可能であることを示した.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 70 (4.5), 231-237, 2021-04-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (13)*注記

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